前島密賞
前島密賞は、逓信事業の創始者「前島密」の功績を記念し、その精神を伝承発展せしめるため
昭和30年(1955年)に設けられ、情報通信及び放送の進歩発展に著しい功績のあった方々に贈呈しています。
また、第66回から新たに、現在活躍し今後の功績が期待される方を対象とする奨励賞を設け、贈呈しています。
前島密とは
天保6(1835)年、現在の新潟県上越市に生まれた前島密(ひそか)は、近代郵便制度を創設し、全国に郵便局のネットワークを構築、郵便為替、郵便貯金などを含めて郵政事業の基礎を築きました。
また、電信・電話事業、教育・福祉事業、鉄道・陸運・海運事業、新聞事業など幅広い分野で多大な功績を残し、生誕地に建てられた記念碑には「日本文明の一大恩人」として称えられています。
東京遷都、駅制改革、国字改良など、先見性に満ちた数々の提案は、大久保利通、大隈重信、渋沢栄一など当時の実力者に大きな影響を与えました。
晩年は芦名(神奈川県横須賀市)に隠居所「如々山荘」を設け、村人や子供等と親しみながら穏やかな余生を過ごし、大正8(1919)年85歳でその生涯を閉じました。
(郵政博物館ホームページに移動します)
前島 密 先生
(郵政博物館所蔵)
前島密賞規程(抄)
第1条
近代国家の建設に当たり、社会の基盤となる郵便や物流を初めとしたネットワークを整備し、国民の暮らしに多大な利便性をもたらした逓信事業の創始者前島密の功績を記念し、コミュニケーション分野でその精神を伝承発展せしめるため賞を設ける。
第2条
前条の賞は、前島密賞及び奨励賞とし、それぞれ次の各項に該当する者に贈る。
2 前島密賞
情報通信・放送に関わる次の各号ごとに、特段の功績があったと認められる者。
(1)情報通信ネットワークの提供及びユニバーサルサービスの維持のために顕著な功績があった者
(2)ICT(情報通信テクノロジー)に係わるイノベーションを発案し、ネットワーク社会の進歩発展に顕著な功績があった者
(3)ネットワーク社会の進歩発展又はコミュニケーション文化の振興・発展に関し、顕著な功績があった者
3 奨励賞
情報通信・放送分野において、現に活躍するとともに実績を上げており、今後もなお一層の功績が期待される者。
令和6年4月11日 第69回 前島密賞贈呈式
於 KKRホテル東京